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阮籍の「詠懐詩」

阮籍の「詠懐詩」
実際の生活ではたいへんな飲酒家であったとされる彼の「詠懐詩」に、酒の字はほとんど現れない。其の三十四の「觴(さかずき)に臨(のぞ)みて哀楚(あいそ)多く、我が故時(こじ)の人を思う、酒に対して言う能(あた)わず、悽愴(せいそう)して酸辛(さんしん)を懐く」と、其の六十七の「堂上には玄酒(げんしゅ)を置き」というのが、その乏しい例であるが、前者は四言の詩に「觴に臨んで膺(むね)を拊(う)ち、食に対して餐を忘る」というのとともに、飲むを欲せざる酒であり、後者は形式主義者の応接室にある酒、しかも玄酒といえば実は水である。要するに飲酒のたのしみを歌う句は、皆無である。(「阮籍の『詠懐詩』について 吉川幸次郎) 「五言詩は、阮籍において、知識人が、その人生観世界観を歌い得る文学となったと共に、知識人がもっとも正直にその心情を吐露すべき文学形式となる伝統も、ここに成立した」と、「詠歌詩」が中国の詩の世界におけるエポックとなったものであると吉川幸次郎は書いています。

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2008年04月24日 23:14に投稿されたエントリーのページです。

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